外来をしているとたまに、私、最近、北海道から引っ越してきましたとか、網走の近くが実家ですとか、高校生の頃、北見に住んでいましたとか、今度、北海道に引っ越しますとか声をかけられる。あーそうなんですね、と素っ気なく答えるが、内心では少しうれしい気持ちになる。もっといろいろ話をしたいが外来ではなかなか難しい。やはり人生の半分以上を過ごした北海道への思い入れは強い。18歳の時に、夜明け前に自転車を1時間以上こいで、始めて見に行った初夏の美瑛の丘は忘れられない。起伏のない濃尾平野に育った私には信じられない風景だった。そうだ。一宮には丘がないのだ。私は坂道が好きなのだ。木曽川の堤防に坂あるじゃないですか、と言われたってあの坂を駆け下りたら川に落ちてしまうじゃないか。うねうねとした丘とか少し狭くて曲がってる様な坂がいいのだ。よし6月のテーマはこの町の坂道を探しに行く、にしよう。
・・・でもよく考えると坂道を下るには上らなくてはならない。少し自信がない。
ちなみに皮膚には丘があります。皮膚の表面を拡大して見ると、平滑ではなくてたくさんの溝(皮溝)があり、溝に囲まれている部分が盛り上がってみえて、皮丘といいます。